梅模様の南部鉄瓶
梅の花をあしらった意匠です。及富は「寒い冬に花を咲かせ、春への兆しを表す梅」とし、松・竹と合わせた松竹梅として、また鶯とともに早春をあらわすモチーフとして描かれると紹介しています。同社の「しののめ」は六代目及富が約50年前に創製した梅の花の鉄瓶で、及源鋳造(OIGEN)の「瓜形小紋梅」は日本の伝統柄「小紋梅」を、細い枝が本体から蓋まで這うようにあしらったものです。
該当 2 銘柄
模様は「鋳型」に押されています
南部鉄瓶の模様は、できあがった鉄瓶に彫ったり打ち込んだりしたものではありません。南部鉄器協同組合の工程解説には「鋳型の内側に紋様を押したり、鋳型の肌に肌打ちをします」とあり、押す相手は鋳型です。岩鋳はさらに具体的に「挽き上げた胴型が乾燥しない間に文様を捺します。真鍮の棒の先を円錐形に尖らせた霰棒で一つひとつ捺していきます」と説明しています。
乾く前の鋳型に一粒ずつ捺した窪みが、流し込まれた鉄に写し取られて模様になる——だから模様の均一さがそのまま鋳型づくりの技術を映します。なお本サイトは、模様の意味や由来については工房が公式に説明している範囲だけを掲載しています。